アイランド新宿法律事務所 弁護士 木村 峻郎

木村峻郎弁護士講演「実践借地法1」

木村峻郎講演 実践借地法1

1.借地法の適用要件—その①
◎<参考問題>
  借地人Bは貸主Aに対し「1ヶ月1万円の支払」をしているが、当該土地の固定資産税は、年間12万円であった。契約書は存在しない。Bは「賃料の支払をしている」と言えるか?

答:支払を受けた金額が固定資産税額と同額であるときは、一般的に言って賃料の支払をしているとは言い難い。そこで、当該契約は使用貸借契約であり賃貸借契約ではない。

2.借地法の適用要件—その②-1
◎<参考問題>
  Aは中古車販売業を営むBに対し、販売中古車の展示場として利用する目的から土地を賃貸したが、その際Bが賃借土地の一部に事務所用建物を建築することを許した。この場合Bに借地法上の借地権が発生するか。

答:借地法を適用するには、主たる契約目的が建物所有目的になっていなければならない。しかし、本問では販売中古車の展示場として使用することが主たる契約である。そこで「中古車の展示場所として利用することに付随して建物を所有する」場合、借地法は適用されない。  

2.借地法の適用要件—その②-2
◎<参考問題>
  AがBに「建物所有目的で土地を賃貸する契約」を締結したところ、Bは長男Cに自己の名義で建物を建築させ、Cが居住している。この場合、AはBに対しどの様な主張をすることが出来るか?

答:賃借人として契約をした者はBである。そこで、CはBから借用した転借人ということになる。ちなみに、借地人が転貸する場合には、賃貸人の承諾を得なければ賃貸人は契約を解除することができる(民法612条2項)ものとされている。  

続く               
              
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