木村峻郎弁護士講演「 実践借地法」

木村峻郎講演 実践借地法

1.借地法の適用要件—その①
Q.借地人Bは貸主Aに対し「1ヶ月1万円の支払」をしているが、当該土地の固定資産税は、年間12万円であった。契約書は存在しない。Bは「賃料の支払をしている」と言えるか?

A.支払を受けた金額が固定資産税額と同額であるときは、一般的に言って賃料の支払をしているとは言い難い。そこで、当該契約は使用貸借契約であり賃貸借契約ではない。                             

2.借地法の適用要件—その②
Q. Aは中古車販売業を営むBに対し、販売中古車の展示場として利用する目的から土地を賃貸したが、その際Bが賃借土地の一部に事務所用建物を建築することを許した。この場合Bに借地法上の借地権が発生するか。

A. 借地法を適用するには、主たる契約目的が建物所有目的になっていなければならない。しかし、本問では販売中古車の展示場として使用することが主たる契約である。そこで「中古車の展示場所として利用することに付随して建物を所有する」場合、借地法は適用されない。 

第3 借地権者の受ける制限
Q.BはAから借り受けた土地上に木造建物を建築したが、Bは当該建物を取壊し、新たに鉄筋コンクリート造の建物を建築することを要望している。しかし、AがBの建て替えを承諾しない。この場合、Bはどの様にしたらよいか?
また、借地人Bが平屋建て建物を「2階建て建物に増築する」ことを要望しているが、貸主Aは承諾をしない。この場合、Bはどの様にしたらよいか?

A.物の再築や増改築は賃貸人の承諾を得なければならない。仮に貸主が承諾をしない場合には、借主は「地主の承諾に代わる裁判」により、はじめて建物の再築や増改築を行うことが出来る。ちなみに実務では、借主が土地の更地価額の5%~10%相当額の承諾料の支払をしなければならないとされる。 

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