木村峻郎弁護士講演「仲介業務をめぐる法律問題PartⅨ」

木村峻郎講演 仲介業務をめぐる法律問題PartⅨ

今回から、仲介業務をめぐる法律問題の中で、木村峻郎弁護士が厳選したテーマ不動産登記法の基礎知識を学んでいきたいと思います。

第1<不動産登記の基礎知識>
  以下の設例でYが責任を負うか、考えてみませんか?

設問1 XがZ名義の建物を賃借しようと考え、仲介業者Yに仲介を依頼した。
本件建物には賃貸借契約直前に差押の登記が経由されていたが、仲介業者Yは、登記の確認を怠り、Xに差押の登記が存在していることを告げないまま、賃貸借契約が締結された。
その後、差押手続が進行したことから、Xは本件建物から退去せざるを得なくなった。

設例2 Xは、仲介業者Yを通じてA名義の土地(以下「本件土地」という)を購入する契約を締結し、登記手続を司法書士Zに委任し、登記申請書が受理された日に代金をA指定の口座に振り込んだ。
ところが、実際に決済の場に現れたAと称する人物は別人であり、運転免許証や印鑑登録証明書は偽造されたものであった。
XもYも登記申請の前日に至るまでAと面会したことはなく、Xは、Zを通じて示された免許証を確認した際に特に異議を述べなかった。

2 不動産登記制度の仕組み
不動産登記制度は、虚偽の登記がなされないように、との視点から以下の仕組みを採用している。
(1)登記の申請人
  ア 共同申請
特殊なケース以外、登記の申請は、その登記によって権利を失う者と権利を得る者が共同して行わなければならない(共同申請主義)。
  イ 相続の場合

  ウ 判決等に基づく場合

(2)登記の必要書類
ア 一般原則
原則として本人でないと取得が容易でない書類の提出を求めている。
(主な必要書類の例)
・住民票
・印鑑証明書
・登記識別情報(権利証)
・戸籍謄本
イ 不動産を売買したことによる所有権移転登記の基本的な必要書類
   (ア)売主側

   (イ)買主側
  
ウ 土地所有者が死亡したことによる所有権移転登記の基本的な必要書類

次回へ続く

以上 アイランド新宿法律事務所の提供です。