木村峻郎弁護士講演!法律を活用した「遺産分割や事業承継における税理士の営業」についてパート3-2

木村峻郎 講演 法律を活用した「遺産分割や事業承継における税理士の営業」についてパート3

パート3の2回目です。アイランド新宿法律事務所での実務経験を活かし、木村峻郎先生が説明していきます。

第3<民法の定める要介護者の区別>
問1.Aが認知症に罹患しているため、Aの従兄弟のBは、長年にわたりAの身の回りの面倒を看たり、お金の管理を行ってきた。ところが近時、Bは長年音信不通であったAの子Cから「Aの所有するお金の管理状況について問い合わせ」を受けた。Bは、自分がこのままAの身の回りの世話や財産管理を続けることに問題がないか否か心配している。この場合、どの様に対応したらよいか。
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1.民法の規定する後見、保佐、補助の違い
  (1)判断能力の程度の目安
ア 後見 IQ35以下、長谷川式10点以下、
MMSE14以下、療育手帳A 
精神障害者保健福祉手帳1級
イ 保佐 IQ36~50以下、長谷川式11~15点
MMSE15~19、療育手帳B
精神障害者保健福祉手帳2級
   ウ 補助 長谷川式16~22点

(2)差異
   ア 本人による遺言書の作成
    ①後見 
医師2名の立会及びその診断による判断能力が回復し  ている旨を遺言書に記載してもらわなければ無効(民法973条)
    ②保佐、補助
特に制限なし
※後に遺言能力の有無の点につき紛争になる可能性あり

2.成年後見制度の利用の利益と不利益
(1)利益
     判断能力がない者の財産の管理について、事後のトラブルを回避できる
=財産管理に法的根拠が生まれるため

(2)不利益
    ・被後見人の財産状況に大きな変動を加えられない
            ↓
     例)現在住んでいる、過去に住んでいた住居の売却、担保設定が困難となる、被後見人を含んだ遺産分割では被後見人に法定相続分を確保しなければならない
    ・申し立てまでの手続が煩雑
    ・一度申し立てると取り下げできず、死亡まで継続

3.任意後見制度の利用
(概要)
    自身が将来判断能力を失ったときに備え、事前に後見人候補者を選任しておく制度。
    実務上は、後見人候補者が定期的に本人宅を訪問する見守り契約とセットで締結することが多い。
(注意事項)
    裁判所選任の後見監督人が付される。
    公正証書によって契約を締結する必要がある。

4.Aとの介護財産管理契約を締結して、Bがその後もAを介護し、Aの財産を管理することが出来る。

以上

アイランド新宿法律事務所