木村峻郎弁護士講演!法律を活用した「遺産分割や事業承継における税理士の営業,遺留分に関する民法の特例法」について その2

木村峻郎弁護士講演

法律を活用した「遺産分割や事業承継における税理士の営業」について その2

前回に続き、木村峻郎弁護士が法律を活用した「遺産分割や事業承継における税理士の営業」について、説明していきます。

第5 遺留分に関する民法の特例法
例)Aが所有する不動産を将来売却することはAに有利になるが、Aが判断能力を喪失してしまう可能性がある場合、受託者をB、受益者をAとして当該不動産の信託譲渡を行い、将来Bが売主として第三者に売却する。

1.本制度の概略
X会社を経営する被相続人Aが所有する株式を事業承継者Bに相続させるが、そのBが相続した株式についてAの相続が発生した場合、事業承継をする長男Bが株式を相続することが他の相続人CDの遺留分を侵害することになることに備え、特に以下の方法をとることが出来る。
           記
①遺留分を計算する場合には、相続財産には算入しない。
②BがAから相続するX会社の株式の価額が「仮に相続時に極めて高額な価額になっていたとしても、生前に行った合意時の低額な価額で評価」する。
ことを予め定めておくことが出来る。

2.<長所>
①被相続人が作成した遺言が「他の相続人の遺留分を侵害しない」ため、相続発生後、長男が相続した土地の一部を早期に売却し、納税資金を迅速に準備することが出来る。
② 事業承継の安定性を確保することができる。
etc.

◎代償金の捻出の必要から「被相続人に対し予め土地の売却をアドヴァイス」することが出来る。

3.効果
  Aの相続が発生した場合、後継者Bが取得した株式につき、①遺留分を算定する遺産の総額に算入しない、或は②株式の価額を、合意時の価額で算定することが可能になる。

第6 上記内容を踏まえた「税理士による営業活動のポイント」
被相続人Aが「遺留分侵害を防止し、長男Bに対し農業や会社事業を承継させる」ため、以下の対策を講じることを勧誘する。
 Ⅰ)生命保険の活用
   =長男Bを生命保険金の受取人とする。
 Ⅱ)Aが会社を設立したうえ、退職金規定を設け「Aの死亡」による退職金の受取人をBと定める。
 Ⅲ)信託制度の活用
 Ⅳ)遺留分に関する民法の特例の活用

以上

アイランド新宿法律事務所