アイランド新宿法律事務所 弁護士 木村 峻郎

木村峻郎弁護士が解説!「民法改正 その1」

木村 峻郎 弁護士が解説 民法改正 その1

「民法の一部を改正する法律案」が可決成立しました。

今回の改正は、民法典のうち債権法に関する部分の条項を対象としています。
改正項目は多数に渡り、約120年ぶりの抜本改正と言われています。
尚、公布日から起算して3年以内の政令で定める日から施行されることになります。

主な条文の変更及び明文化されたもの

契約自由の原則
契約自由の原則を明文化された。(改正後民法521条)

消滅時効について
業種ごとに異なる時効期間が定められていたものを統一された。原則的な時効期間としては、以下(1)(2)のいずれか早い方とされた。
(1)債権者が権利行使できることを知った時から、5年
(2)債権者が権利行使できる時から、10年(改正後民法166条1項)

債権譲渡について
譲渡制限が付された債権であっても、債権の譲渡は効力を妨げられないとした。また、債権譲渡について債務者が異議をとどめないで承諾した場合に債務者が有していた抗弁権が切断されるという制度(改正前民法468条1項)は廃止された。(改正後民法466条2項、468条1項)

保証債務について
事業のためにする借入れを対象とする個人保証について、原則として保証契約締結前1ヶ月以内に保証債務履行につき公正証書を作成しなければ無効になる条文が追加された。また、保証人保護を目的とした情報提供義務を債権者に課した。(改正後民法465条の6、458条の2)

弁済について
債務者が債権者に債務を弁済したときに債権は消滅するという原則を明文化された。(改正後民法473条)

消費貸借について
書面による諾成的消費貸借も有効であることを明文化された。(改正後民法587条の2)

法定利率について
5%の固定制とされていたものを、当初3%とした変更し、3年毎の変動制が追加された。(改正後民法404条)

意思能力について
意思能力を有しない者がした法律行為は無効であることを明文化した。(改正後民法3条の2)

約款の規定の新設について
以下の⑴⑵⑶の全ての要件に当てはまる場合に、原則「定型取引」における「定型約款」において、契約の内容とすることを目的とした当該取引の当事者となる者により提示された条項の集合文書について、相手方に対する拘束力が認められる。

⑴対象となる取引が「定型取引」に該当する。
⑵「定型取引合意」定型取引を行う合意が必要。
⑶以下(a)(b)のいずれかに該当すること
(a)定型約款を契約の内容とする旨の合意がある。
(b)「定型約款準備者」が予めその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示している。

「定型取引」とは?
⑴特定の者が不特定の者を相手方として行う取引であって、
⑵その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なもの、としています。

続く