木村峻郎弁護士講義「遺留分の放棄と遺言信託⑵遺言執行,遺言信託,設問」

木村峻郎弁護士講義
「遺留分の放棄と遺言信託⑵遺言執行,遺言信託,設問」

木村峻郎 講義 遺留分の放棄と遺言信託 その2

引き続き、木村峻郎弁護士が遺言信託の問題点から説明していきます。

著 木村峻郎(弁護士 アイランド新宿法律事務所)

第5<誰に遺言書の作成を依頼するか=信託銀行が行う「遺言信託」の問題点>
1.信託銀行の行う「遺言信託」の内容
①公正証書遺言を行うため、公証人との連絡及び公証人役場まで同行。
 ②作成された公正証書遺言の保管、相続発生時に各相続人に送付。
 ③相続開始後、a)税務申告のため税理士に依頼する。
        b)税務申告に必要な土地の測量を、測量士に依頼する。
        c)相続不動産の相続登記を司法書士に依頼する。

2.信託銀行の遺言執行業務の報酬額
※相続財産が1億円のときは、「報酬金額は183万7500円」。
※相続財産が5億円のときは、「報酬金額は509万2500円」。
※相続財産が10億円のときは、「報酬金額は729万7500円」。

3.遺言信託会社が行う遺言執行業務の問題点
1)遺言信託会社の担当者は、被相続人や親族の個人的事情を十分に理解していないため、遺言書の内容も遺留分の侵害につき十分に考慮しない「形式的なもの」になり易い。

2)遺言信託会社は遺言書を作成後相続が発生するまでの間、被相続人やその親族との連絡関係が極めて不十分であり、その後の相続財産の売却等、財産の変動を正確に把握できない。そのため、各相続人間の利益調整を迅速に行い、紛争防止に努めることが困難になる。

3)遺言信託会社は、相続税の税務申告手続は税理士に、又不動産の相続登記は司法書士に対し、相続人自身が遺言信託会社とは別に依頼する。そのため、相続人は遺言信託会社に対して支払う報酬とは別に、税理士や司法書士に対しても報酬の支払をしなければならないことになる。

4)相続人間の意見が対立し、遺産分割協議が成立しないときは、遺言信託会社は相続人が弁護士に依頼して、相続人間の対立を解決することを何もせずにただ待つだけのみである。

問 題
<問1> 遺留分の放棄

<事例>
◎Aの相続人として妻Bと子C・Dがいる。
Aの遺産は以下の通りである。
 ①自宅

以上

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