木村峻郎弁護士講義「民法第11回,相続,賃貸物件,遺留分」

木村峻郎弁護士講義
「民法第11回,相続,賃貸物件,遺留分」

第11回民法 引き続き、木村峻郎弁護士が作厳選した相続の演習問題です。末尾参考条文を記載しております。

著 木村峻郎(アイランド新宿法律事務所 弁護士)

第3<相続人が賃貸物件を相続する場合> 

 
1)被相続人AはXに甲建物を賃貸した後、死亡した。
Aの長男Bと次男Cが遺産分割協議を行い、Aが死亡して1年後に「当該建物はBが単独で相続する」ことになった。この場合に生じる法律関係について説明をして下さい。
  

2)前問と同様の事例において、Aが「全財産をBに相続させる」旨の遺言をした場合に関する以下の記述中、正しいものには○印を、間違っているものには×印を記入して下さい。

(  )①Cは4分の1の割合による遺留分があることを主張して、Bに遺産の分割を請求することが出来る。

(  )②甲建物の時価が仮に1億円とした場合、Aの遺産が総額5億円であったとしても、BはCに対し2500万円の支払いをすれば、Cの承諾がなくても「Cが甲建物につき取得した4分の1の相続権(遺留分)」を消滅させることができる。

(  )③BがCに対し価額による弁償として遺留分を消滅させる場合、その弁償金額は相続時における、時価で算定する。

3)被相続人甲には妻Aと長男B及び次男Cがいる。甲は財産として東京都内にある自宅不動産(時価1億円)と貸家(時価1億円)及び長野県内に別荘地(時価1億円)他、現金預金が1億円ある(相続財産の合計額は4億円)。この事例において、甲は「長男Bに全財産を相続させる」旨の公正証書遺言を作成していた。この場合に関する以下の記述中、正しいものには○印を、誤っているものには×印を記入して下さい。

(  )①次男Cは甲が死亡し相続人になったことを知ったときから、1年以内であれば遺留分減殺請求権を行使できる。

(  )②次男Cが遺留分減殺請求権を行使するため、Cは長男Bに架電し、口頭で遺留分減殺請求権を行使する旨を述べた。この次男Cの遺留分減殺請求権の行使は有効である。

(  )③次男Cが遺留分を有する場合でも、Cは長男Bに対して「遺留分相当額(5千万円)の金銭の支払いを請求することができるだけ」であり、「自宅不動産について8分の1の権利がある」旨の主張をすることは出来ない。

(  )④次男Cが遺留分減殺請求権を行使した場合、長男BはCに対して遺留分相当額(5千万円)を支払えば、Cが承諾をしなくても自宅及び別荘の各不動産を単独で所有することができる。

<参照条文>
1)民法1028条(遺留分)
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
1 直系尊属のみが相続人である場合、被相続人の財産の3分の1
2 前号に掲げる場合以外の場合、被相続人の財産の2分の1

2)民法1041条(遺留分権利者に対する価額による弁償)
1 受贈者及び受遺者は、減殺を受けるべき限度において、贈与又は遺贈の目的の価額を遺留分権利者に弁償して返還の義務を免れることができる。
2 前項の規定は、前条第1項ただし書の場合について準用する。

以上

アイランド新宿法律事務所